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詩20「清く、正しく、頭オカシク」

あたたかい日差し

新入生たちがまた団子

みんなボケッとしている

初々しい

わたしも

前の職場に入ったころ

あんなだったにちがいない

あれからもう12年

わたしは病気になった

病名はない

わたしはいつも震えている

その病気の根深さに

いつも震えて耐えている

「病気ではない」人たちと

わたしは普通に接しているか

「病気ではない」人たちは

わたしに普通に接しているか

わからない

わたしは頭がオカシクなった

どうにも頭がオカシイ

だから

あの子みたいな服は着れないし

あの子みたいなお店は知らないし

あの子みたいな話はできないし

あの子みたいには笑えないし

あの子みたいに泣けないし

あの子みたいには振る舞えない

周りにいる、可愛い女の子たちのように

わたしはどうしてもできない

わたしはどうにも頭がオカシイ

だったらダメなんだろうか

だったらダメなんだろうか

わたしなりに

いっしょうけんめいやっている

わたしの好きな服を着て

わたしの好きなお店に行き

わたしの好きな話をして

わたしなりに笑い

わたしなりに泣き

わたしのできるように振る舞う

それではダメなんだろうか

生きていったらダメなんだろうか

清く正しくありたい

前の職場には

仕事なんてどうでもよくなるような

反吐の出る現実があった

周りの目を誤魔化し

汚いことをするじいさんとばあさん

まわりはみんな知っていて

それでも媚びへつらう

わたしは耐えきれなかった

いっぽうのわたしには

まともな恋の話もなく

時間だけがどんどん過ぎて

ジジババに簡単にできることが

まだ二十代だったわたしにはできなかった

あの頃からだんだんと

わたしの頭は腐っていった

清く正しくありたい

周りの人たちがみな

汚れているとは思ってない

わたしだけが美しいなんて思ってない

ただ

汚いことをするくらいなら

人目をごまかし嘘をつくくらいなら

わたしは頭がオカシクていい

そして

頭のオカシイわたしとして

振る舞うことが許されるなら

それが一番幸福だ

頭のオカシイわたしを

頭のオカシイわたしとして

愛してくれる人たちがいれば

それが一番幸福だ

わたしは初々しい人たちに思う

あなたたちはきっと

美しく生きていってほしい、と