神宮スズメの独り言 2017春〜6〜さあ決勝戦

外野ややレフト寄りの外野席にいたボクは柳町君のその打球を見失った。

いい角度でライト線に上がった打球は距離は十分に見えた。しかし、早稲田の右翼手は一歩を動かない。

なんだ、ファウルか・・・・

そう思った時、1塁塁審の右手はグルグルと回って大歓声が起こった。滞空時間の長い本塁打だった。

8−5・・・・

これで試合は決まった。

昨年の六大学は多くのドラフト指名を受けた。明治からは柳、星の両エースと佐野。立教からは澤田、田村の両投手に田中、慶應からは加藤、慶應の残った投手陣のこれまでの勝利数は2であり、それは東大よりもはるかに少なかった。

そして、この3校がもっとも戦力ダウンしたと言われた。

しかし、六大学の序盤をリードしたのは明治、それを慶應が交わして首位にたったが、最後の早慶戦を前に立教がトップの座にいた。

先週の土曜日を終えた段階では東大を除く5大学に優勝の可能性があったが、明治が力尽きて優勝は立教と慶應に絞られた。

慶應は無敗で勝ち点を上げれば優勝、一つでも負ければその段階で立教の優勝が決まる。

そんな中での早慶戦は非常に緊迫した展開が続いた。早稲田の先発は浦和学院で全国一を経験している小島君、慶應は川越東の高橋佑樹君。

サウスポー同士の先発はともに無安打のまま試合が進む。5回に早稲田の宇部口君が両チームを通じての初安打を放つも無得点。

慶應の初安打は6回の瀬尾君の2塁打だった。1死2塁で早稲田は柳町君を敬遠、4番の岩見君との勝負を選択する。そして岩見君の当たりは3塁ゴロ・・・・

併殺か、いや2封のみか・・・・

しかし、次の瞬間スタンドが沸いた。2塁はセーフ。1塁ランナーの柳町君のスタートがよく、野選と記録され満塁となった。

ここで清水翔太君がライトスタンドへ・・・

慶應は6回裏に2安打で4点を入れた。そして6回まで慶應の高橋君は被安打1、奪三振9と絶好調だったことを考えると慶應に勝利が近づいたと思われた。

しかし・・・・

7回の表、早稲田側スタンドが高らかに校歌を歌う中、先頭の佐藤君がレフトスタンドへ本塁打。その後、慶應の高橋君は2者連続四球、送りバントは3封したものの、ここでマウンドを降りた。

代わってマウンドに立った菊池君は四球を与え満塁となった場面で早稲田の代打熊田君いタイムリーを打たれて4−3。そしてショートゴロバックホームがセーフとなる野選。さらに内野ゴロの間に1点を追加され、5−4と逆転を喫してしまう。早稲田も2安打で5点を入れた。

静まり返る慶應側応援団。しかし、選手たちはあきらめてはいなかった。7回裏、早稲田のマウンドには木更津総合から入学した早川君がいた。昨年高校日本代表にも選ばれた逸材だ。その早川君にたいして慶應は照屋君が安打で出塁、送った後2つの四球で満塁とした。

そこで・・・・

柳町君の本塁打だったのだ。

もう優勝の芽がなく慶應の優勝を阻止したい早稲田にとって1年生投手では荷が重かったのかもしれない。しかし、彼にとっては素晴らしい経験を積んだとも言える。

優勝が懸かっていようがいまいがいつも多くの観客を集める早慶戦は甲子園とはまた違った雰囲気がある。千葉出身の選手だけに応援したいと思っている。

日本の野球文化の礎とも言える早慶戦。今年に春の第2戦はその結果で慶應か立教の優勝がきまる決勝戦となった。

2017年5月27日 東京六大学春季リーグ戦(於 明治神宮野球場

早稲田

000 000 500 = 5

000 004 40x = 8

慶應義塾