江戸武士の生活16

井戸端での洗濯

男が洗濯を頼みにくいといえば、やっぱりふんどしです。

ところが、この褌というのは高価なもので既製品ですと1枚250文

したという。

屋台蕎麦が16文ですから如何に高いか分かります。

現金掛け売りなしの越後屋が売り出しをやる時など、長屋の男が

3人で1枚の木綿を、6尺が長さの褌ですので3枚取れるからです。

生地から作る時は、250文も掛からないが、生憎とそんな面倒なことをしないのが男の常です。

損料屋で新しい褌を60文で借りる。

これが一番手っ取り早い。お陰で損料屋の一番人気になりました

値段が倍になっても褌を汚れてたままでの返却も可能なら

それに越したことありません。

江戸っ子の一番の楽しみはというと江戸の華のお祭り。

そうした時は、着物の裏を捲って褌が丸見え状態です。

そうした時汚れた褌では、イケメンでも総スカンを食います。

真っ白できちっと締めた褌が江戸っ子のプライドなのです。

男の洗濯さんもいた。

これは染物屋などでは薬を使っての作業が多い為に

汚れも又落とすことが出来る為で、此方はどちらかというと

裕福な家が依頼するケースが多かったのではと思われる。

ついでに長屋の話もします。

長屋というとすぐ裏長屋の事を思ってしまいますが、

長屋でも色ありました。

ランクでいうと5段階に分かれ、建物も平屋と2階建てとがあった。

更に2つに分かれ、割長屋と棟割長屋に分かれる。

江戸の中心に近い所では2階建てが主で空間を使っての長屋。

極上クラス

これは、表通りに面していて天保兼住まいの2階建て、

1階は店で2階に居住。

土蔵も付いて店賃が付きに1両2分ですから裏長屋の月収に近い

上クラス

表通りで2階建て、ここまでは同じだが大きさが少し小さくなる。

店賃は月に2分2朱。

店は8畳くらいで床は土間や板敷。奥には4畳半ほどの部屋があり

奥にはトイレや流し、小庭。

中上

表通りから少し奥に入る。

4畳半が2つ有り、土間玄関に竈、流し、小庭。

店賃は月に2朱

標準

いわゆる9尺2間の長屋

店賃が月に銀5匁

家具などありません。

押し入れも無く箪笥も無い。

行燈と火鉢位で、食事は銘の膳で済ませ、食べ終わったら

中にしまい蓋を被せておく。

洗うというのではなくお茶などで中をゆすいで綺麗にする。

押し入れは無いので布団は畳んで隅に置き枕屏風で隠す。

下クラス

棟割長屋である。

1棟を真ん中で区切られていて四方が壁なので風通しが悪く

湿度も高くナメクジ長屋ともいう。

下の下

江戸の外れや川のたもとに多く、日当たり風通し悪い

壁は剥げ落ち、天井や障子には蜘蛛の巣が張ってる。

下町辺りは元水が出やすかったのでナメクジなどが

出やすかったようです。